AirCampus®導入事例:株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック様

2025-10-28

AirCampus®導入事例:株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック様

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AirCampus®導入によって実現した業務効率化と研修DX

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック(以下、ITプレナーズ)は、企業のDX実現を支援するため、変革を推進する「攻めのIT」、安定運用を担う「守りのIT」、その両面を支援する企業です。ITサービスマネジメントやアジャイル、DevOpsといった領域を中心に、企業の組織開発や人材育成を支援しています。

本記事では、同社で研修運営を担当するサービスオペレーションチームの3名の皆さんに、学習管理システム「AirCampus®」を公開講座などの運営に導入した経緯と効果についてお話を伺いました。

インタビュー対象者紹介

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック サービスオペレーションチーム

  • 藤田 里紗

    藤田 里紗 フジタ リサ (チームリーダー)

    新卒でテレビ業界のアシスタントディレクターとして番組制作に4年ほど従事。その後ITプレナーズにてサービスオペレーションを担い、今年で10年目を迎える。様々な関係者との調整や、準備および本番業務の進行管理経験を元に、長らくITプレナーズの研修運営を支えてきた。

  • 渡邉 真夏

    渡邉 真夏 ワタナベ マナツ

    新卒で専門商社の営業事務として貿易実務を3年経験後、飲料メーカーの営業アシスタントを経てITプレナーズに入社。一貫して複数の関係者との調整や連絡対応を勤めてきた経験を活かし、受講者・講師間のスムーズな橋渡しや講座準備・運営を担当。

  • 前場 遥子

    前場 遥子 ゼンバ ヨウコ

    新卒で銀行に入行し窓口業務や営業を経験。別の業界で総務・経理などを経験後、2025年にITプレナーズに入社し公開講座運営全般を担う。金融業界や総務・経理等のバックグラウンドで培った正確性、期限遵守で運営を支えている。

AirCampus®導入前の課題

連絡工数の多さと受注増に伴う業務の増加
代理店や顧客ごとに異なる方法で個別連絡が発生するため連絡工数がとても大きく、講師や営業といった関係者・社内スタッフとも調整が必要で業務量が増加していた。

ミスの抑制、きめ細かな調整負荷の高さ
講座運営のミス防止に注力するあまり学習体験向上にリソースを割けず、また関係者ごとに微調整したメール個別送付により同じ内容でも調整負荷が高くなっていた。

業務のハブとしての心理的プレッシャーと属人化
研修の一連の流れが連動しているため、不備発生時に並行する他研修や社内外のステークホルダーへの影響範囲が大きいというプレッシャーがあり、また一部業務は特定メンバーの経験や知識に頼る部分が大きかった。

AirCampus®の導入効果

業務効率の大幅向上
受講案内・教材・Zoom URLなどをAirCampus®上で一元管理し、関係者へのメール送付や相互確認が激減。予約投稿機能で多忙日も事前準備が可能になり、運営フローがシンプルに。

業務が平準化され、チームで対応することで心理的負担の軽減
投稿・進捗状況をチーム全員が同じ画面で把握できるため、担当間のカバーが容易に。アクセスログ可視化により受講者の動向も確認でき、連絡ミスへの不安や当日対応のプレッシャーが低減。

受講者体験とサポート品質の向上
受講者は連絡・資料を一箇所で確認でき、「便利でストレスがない」と高評価。運営側に余裕が生まれ、丁寧な案内や小さな気配りが可能になり、全体の満足度が向上した。

オペレーションチームの業務内容について教えてください。

藤田 里紗 藤田さん

私たちのチームでは様々な企業研修を運営しており、大きく分けて公開講座、個社向け研修、eラーニングの3つです。

  • 公開講座
    • IT関連の研修会社等の代理店経由で様々な業界・企業の方々から申込みをいただいています。ITIL®・アジャイル等、資格認定するものもあり、研修受講後に試験を受けていただき資格を取得されます。
  • 個社向け研修
    • 公開講座の内容等を特定の顧客向けに一部内容をアレンジして、その企業向けに企画・提供するものです。
  • eラーニング
    • 上記2つの研修と同様の領域で、オンデマンドで知識獲得いただくサービスです。

以前は集合型の研修・講座運営を担ってきましたが、現在はZoom等でのオンライン開催がメインとなっています。
いずれも、受講者の方が安心して学べる環境を作ることはもちろん、講師の方々や代理店の方々が『受けてよかった』『こういった価値を得られた』と感じられるように『研修提供までのフローをきちんと整えて支える』ことが私たちの役割です。現在、AirCampus®を上記のすべての運営で活用していますが、本日お話しする公開講座については、2024年実績で100件超の講座を運営し、700名を超す受講者に研修を提供しています。

公開講座運営上の課題(AirCampus®導入以前)

AirCampus®導入前の運営で特に大変だったことはありますか?

藤田 里紗 藤田さん

AirCampus®を導入する前の業務を振り返ると、ひたすら関係者とのやりとりの往復でした。受講者、代理店、講師など全ての関係者に対して、私たち事務局が間に入ってやりとりをし調整し、その方の立場に合ったメールをお送りするということが多かったんです。お伝えする内容はほぼ共通しているものの、受け手のことを考えて微妙に文面を変えていたため、かなり工数が増えていました。

業務フローの脆弱性と心理的プレッシャー

藤田 里紗 藤田さん

また、研修の案内から研修の準備、そして研修後まで一つの流れで業務を進めているため、何か一つの連絡ミスが発生した場合にその流れが止まってしまいます。その一つの流れに様々なステークホルダーが関わってくれているため、『迷惑をかけてはいけない』という心理的なプレッシャーもすごくありました。

物理的な個別対応による煩雑さ

藤田 里紗 藤田さん

研修教材一つとっても、受講者の方が配送先住所を登録するタイミングが遅れると、遠方の場合には当日までにお手元に届かないリスクもありました。そうした遠方の受講者にも確実に届けるため、個別にスケジュール調整が必要となり、きめ細かい管理が求められていました。

導入のきっかけと検討プロセス

『AirCampus®を公開講座に導入しよう』という取り組みはどのように生まれたのでしょうか?

チーム合宿での課題整理

藤田 里紗 藤田さん

チーム内に、前職でAirCampus®を使っていたメンバーがいたのがきっかけでAirCampus®の導入が始まりました。実はAirCampus®を使う以前に別のプラットフォームを使ってeラーニングを提供していた時期もあったのですが、柔軟性に乏しく運営にも課題が多かったため、まずはプラットフォームをAirCampus®に移行するところから取り組みを始めました。しかし、この頃はまだAirCampus®を公開講座や企業研修で使用するイメージがなく、eラーニングで使用するのみでした。
その後、公開講座などでもAirCampus®を導入してみてはどうか?という話が出たのは、2023年10月のオペレーションチームのチーム合宿でした。合宿では、現場で今起きている課題や私たちが感じていること、そして受講者や講師から寄せられている声を整理し、どう改善していくか時間をとって話をしたんです。

渡邉 真夏 渡邉さん

当時は、AirCampus®が課題解決の鍵になるという発想はチーム内でも出ていませんでした。公開講座の運営にどう活用できるかも見えず、「もし使えたら理想的だよね」と話していた程度です。

藤田 里紗 藤田さん

AirCampus®について理解を深めるうち、ディスカッションの機能がとても充実していることを知り、オンラインで双方向にいろいろなやりとりができるなら、 より研修の深みも増すし 受講者にとっての価値も高めていけるのでは?と考え、検討を進めていきました。

関係者への説明と調整

藤田 里紗 藤田さん

年度中の導入を目指して、さっそく講師の方々に向けてオンラインで説明会を行いました。触ってもらえるようにデモ環境をお渡ししたりしながら、続いて、当社の研修をお取り扱いいただいているパートナー企業の方々にも説明を行いました。ツールの導入ということで調整事項も多かったですが、双方の運営工数削減と、正確な情報を受講者に提供しやすくなることなどをご理解いただき導入に向けた準備が進みました。

入念なデモとテスト運用

藤田 里紗 藤田さん

実際の公開講座に見立てて社内メンバーに受講者役を担ってもらい、AirCampus®運営デモを行いました。結果、社内デモは2回行ったのですが、1回目のデモで案内文の分かりづらい点や導線で目立たせるべき箇所など多数のフィードバックが集まり、それらをすぐに改善して日を空けずに2回目のデモを行いました。

導入への不安と準備

導入準備を進める中で、気持ちの面ではいかがでしたか?

藤田 里紗 藤田さん

私は正直、最初は全部不安でした(笑)。この10年間ほど、これほど大規模な運用変更はほぼなかったので、関係者の評価が低かったらどうしようなど色々な思いが浮かんでいました。でも、自分で設定作業をしていくうちに徐々にAirCampus®の使い方が自分の中でつながっていって、こういうふうにもできるかもしれないという冒険心みたいなものも芽生え始めていき、考え方や設定方法が整理されていくのが楽しくなっていきました。

渡邉 真夏 渡邉さん

入念に準備が重ねられていたのできっと大丈夫だろうと思いつつ、ただ始まったらきっと盲点だったり思わぬ質問やイレギュラー対応も想定していましたが、入念な準備の成果でスムーズに対応できました。

前場 遥子 前場さん

私はITプレナーズに入社したのが今年の1月半ばなので分からないことも多くありましたが、藤田さんがすごく心配しているから私たちが頑張らなきゃ!と思っていました(笑)。AirCampus®以前の研修運営方法からどのように変更になったのか、、皆さんが全部マニュアルにまとめてくださり、それほど不安なく5月を迎えられました。

導入後の効果と変化

AirCampus®を導入してみて、特に効果を感じている点は何でしょうか?

情報の一元管理と業務の平準化

藤田 里紗 藤田さん

一番大きな効果としては受講案内や教材、ZoomのURLなど、そういったものをAirCampus®で一元管理できることです。以前は、受講者様の申込経路によって、直接メールするのかパートナー企業を介すのかなど、一人ひとりへの連絡手段を変える必要がありました。今は、そういった煩雑さや分岐した手続きも少なくなりました。
また、予約投稿で案内を配信する日時の予約設定ができるため、自分の1週間のタスクなどを見ながら事前に組み立てて標準化することができています。特に、私たちは月・水・金が研修の初日や終了日にあたることが多く、そうした日は特にタスクが多かったりするので、予約投稿を活用することによってそういう日でも余裕が持てるようになっています。

メール件数や問い合わせ対応の大幅な減少

渡邉 真夏 渡邉さん

研修案内に関するメール送付件数は大幅に減少しました。AirCampus®に投稿すれば関係者全員が共通の場で確認できるため、『誰に送ったか』を確認し合う工数も圧倒的に減ったんです。
また、教材は研修の2日前から当日までの間に届くとメールに記載していても、これまで受講者から『教材はいつ届くか?』という問い合わせをよく頂きました。
こうした案内についても、一度にまとめてメールで送るという運営から、AirCampus®では受講者が確認したいと感じるだろうタイミング(研修開催の数日前)でお知らせを掲載する運営に変更したところ、だいぶ問い合わせが少なくなりました。

心理的負担の軽減

藤田 里紗 藤田さん

総じて、運営上の心理的負担感は軽減されていると感じています。特に助かっている点として、受講者がAirCampus®に最終アクセス日時が見えることが大きく効いています。ある受講者が研修の当日になかなか入ってこない場合でも、以前は受講者の状況が見えなかったのですが、今は受講者の様子がある程度わかるようになりました。アクセスログを見ながら研修のZoomをオープンしていると、当日の割と朝の早い時間に実はアクセスしてる人もいます。そうした人は開始時間ギリギリでも忘れないでちゃんと入室されるので、安心して待つことができています。

チーム内の働き方の変化

チーム内での働き方や役割分担など、お互いに業務で関わる中での変化などはありますか?

業務分担とカバー体制の改善

藤田 里紗 藤田さん

今チームの体制としては平常業務は渡邉さんと前場さんで、公開講座も特定の企業研修も2人でチェックをしながら回してもらっています。私は対応が難しそうなものやイレギュラーなもののみに関わり、その他特別なイベントの準備などに専念をさせていただいています。渡邉さんはこれまで公開講座運営のメイン担当は経験がなく、また前場さんはまだ入社されて日が浅いですが、シンプルな運営設計でかつ同じ環境を見ることができるAirCampus®で運営しているおかげで、お二人にも安心してお任せできています。

渡邉 真夏 渡邉さん

5月に実際に開講するにあたってはミスをしないように緊張感を持って臨んだのですが、2人体制でAirCampus®で運営していると、どちらかが立て込んだときの業務の依頼や受け渡しがとても分かりやすくなり、お互いにカバーしやすいので業務がしやすくなりました。具体的には、作業進捗を共有して残りの業務を依頼するときに、以前だと何が完了していて何が未着手なのか、というように細々と状況を伝えて確認しあう必要があったのですが、藤田さんが申し上げた通り、AirCampus®上の投稿状況を見ればどこから作業に当たればよいかすぐにわかるので、連携がしやすくなったと感じています。

受講者・関係者からのフィードバック

受講者からのポジティブな評価

藤田 里紗 藤田さん

受講者の方からは少しずつポジティブな反応をいただけています。『これまでなかったサービスですね』『専用の学習環境で連絡や資料が一箇所で見られるのは非常に便利でした』『情報がまとまっていて分かりやすくてストレスなく受講できました』といったコメントをいただいています。
また、『サポートが丁寧で安心できた』というコメントもいただくことができ、AirCampus®を使うことで私たちに余裕が少しできた分、より丁寧にご案内をお送りするなどすごく小さなことに関しても手を広げ、しっかりと届けられるようにという意識で運営ができていると思います。受講体験全体を考える余裕ができたのかなと思います。

データ活用と今後の展望

お話を伺っていますと、AirCampus®を使っていくことで受講や運営に関するデータが貯まっているのだと思いますが、その先の発展や貯まったデータの活用についての着想や期待はありますか?

情報資産としての価値

藤田 里紗 藤田さん

情報資産になるだろうと思っています。今後は、コース別の受講状況やアンケート結果をもとに、開催スケジュールの調整や研修運営のブラッシュアップをしていきたいです。また、一つの研修を受けた受講者の方が次にどのコースを受講しているか、といったデータも分析することで、研修を導入いただく企業や受講者個人の方に向けた学習計画のご提案などもしやすくなると思います。
それから、AirCampus®上にはヘルプデスクを置き、試験の受験方法や研修受講にあたっての質問を受け付けているのですが、そのデータも活用していきたいです。よくあるお問い合わせをもとに質問集を作成し、事前にご案内できれば、受講者の方にもより安心感を持って研修を受講いただけると思います。

今後の運営ビジョン

最後の質問なのですが、みなさんはこれからどのような運営のあり方を目指していきたいですか?

受講者コミュニティの形成

渡邉 真夏 渡邉さん

受講者アンケートでは「オンラインよりオフラインの方がよい」という声もあります。かつてのオフライン開催では研修後に名刺交換や受講者同士の交流も生まれていたように、オンライン研修でもAirCampus®上にコミュニティを設け、有意義な情報交換ができる環境を作れるといいのではないかと思っています。

システム機能のさらなる活用

前場 遥子 前場さん

現在、AirCampus®で実施しているアンケートをさらに改善したいと考えています。
現状では、ACフォームのリンクから回答いただく仕組みになっており、何度でも回答できてしまいます。
AirCampus®上でアンケート回答のリマインドを行っているため、すでにご回答済みの方でも「回答してないかもしれない」と感じ、再度回答されてしまうケースもあります。
そこで、アンケートをAC連動フォームにすることで、受講者の方が「自分が回答済みかどうか」をすぐに確認できるようになり、利便性の向上につながるのではないかと期待しています。

研修運営を第4の価値として確立

藤田 里紗 藤田さん

これからの運営のあり方として、『研修運営』自体を『ITプレナーズがお客様に提供する4つ目の価値』として確立することを目指したいと思います。現在掲げている3つの価値、優れた『講師』『教材』『試験』、さらに私たちがサポートに入り優れたツールを駆使して受講者に良い学習経験を積んでもらえるような『研修運営』を提供する。そして、もう一度私たちのコースを受けに来てもらう、選んでもらえるような選択肢の一つに入れていただけるようになりたいと思っています。

まとめ

ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックでは、AirCampus®の導入により以下の成果を実現されました

  • 業務効率化:関係者への個別連絡から一元管理への移行により、工数を大幅削減
  • 品質向上:予約投稿機能による業務の平準化と、受講者目線でのタイミング配信の実現
  • 心理的負担軽減:受講者の行動ログの可視化により、運営時の不安を解消
  • チーム連携改善:情報共有の簡素化により、メンバー間の業務連携がスムーズに
  • 受講体験向上:運営業務の効率化により生まれた余裕を、より丁寧なサポートに活用

同社では今後、AirCampus®で蓄積されるデータを活用した営業提案や、受講者コミュニティ機能の充実を通じて、「研修運営」そのものを競争優位の源泉として確立することを目指しています。

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