学校教育DX
2025-06-06
AirCampusを導入することで、どのような課題を解決することが出来るのか、実際の事例を元にご紹介しています。
今回の課題は学校教育(大学)のDX化です。
成瀬 あかり
人材育成・教育サービスを提供する株式会社Aoba-BBTの部長。
大手企業を中心に提案・企画から育成プログラムのデリバリーまで幅広く支援している。さらに学校教育のDX支援も担当することになった。
佐久間 理事
私立大学法人の理事。テーマとして、特にグローバル戦略や教育改革に関わっている。
「多言語対応による学びの機会拡大」を狙ったAirCampus Sessionの導入を承認した理事の一人。
剣崎 教授
経営学部所属のベテラン教員。学部の多くの講義を持ち、担当するゼミは人気があり毎年定員以上の申し込みがある。
実際の企業を対象にしたビジネスモデル研究も行うことから、授業支援やオンライン学習などのテクノロジー進化や様々なSaasビジネスの台頭にも理解が深い。
大学では交換留学生を毎年多数受け入れてきましたが、講義は日本語で行われるケースが多く、留学生の理解度や授業参加率に課題がありました。
教員による英語や多言語での講義対応には限界があり、教育の質と多様性の両立が難しい状況に直面していました。
こちらこそわざわざお越しいただきありがとうございます。
実は「留学生の授業出席率や質問件数が目に見えて増えている」という教務部からのよい報告があったばかりで、これは大変喜ばしいニュースでした。従来は「言葉の壁」のせいで、講義の内容がうまく伝わらないことも多いのが課題だったので……。
私のクラスでも、教員がクラスで話した言葉が字幕で補足される安心感があるのか、リアクションや議論への参加が増えました。表情が明るくなった留学生も多いですね。
導入前、大学全体としてはどのような課題感を持っていらっしゃったんでしょうか?
留学生の受け入れ対応においては、やはり“多言語化”の限界ですね。
すべての講義を英語で提供するのでさえ難しい上、さらに様々な言語で提供するのは現実的ではないですし、教員側にも相当な負荷がかかる。結果的に、せっかく優秀な留学生を受け入れても、授業理解が追いつかないというジレンマがありました。
私も英語での授業を試したことがありますが、資料も話し方もかなり調整が必要で、1時間ほどの公開講座を英語で準備するのでさえ、そりゃあもう大変で。
しかも、入念に時間をかけて準備をしても学問的な深みまで届かないジレンマを感じていました。AirCampus Sessionのように、自然な日本語の講義をリアルタイムで補足してくれるのは、教員にとっても非常にありがたい仕組みです。
弊社としては、まさにそこが開発時のポイントでした。
教員側のやり方を変えずに自然に翻訳が添えられる仕組みにすることで、授業の継続性も担保でき、様々な授業に拡張できるシステムを目指してきた、と共有を受けています。
ええ、まさにやり方を変えなくていいので助かっています。
実際に行う準備としては、ただ「マイクをつけるだけでいい」という手軽さは大きいです。日本語で講義をし、画面共有した日本語で作った資料も自動で字幕化されるので教員は授業中に気にかけることは特にありません。日本語が苦手な留学生は目と耳の両方で授業に食らいつけますし、教室の学生もオンラインの学生も同じように内容を追えるんです。
理事会でも、「想定以上に教員の負担が小さく、導入・展開のハードルは極めて低い」という結果について、高い評価をしましたよ。導入時の技術的なサポートもきめ細かかったと聞いています。
前向きな評価をいただき、本当にありがとうございます。
現場からの声という点では、学生の反応はいかがでしょうか?
利用したある学生が、「90分の授業を通して、内容をほとんど理解できたのは初めて!」と感想をくれたんです。これは本当に大きな一歩で……。翻訳精度が思ったより高いという驚きもありましたし、技術ってすごいな、と改めて感じました。
留学生の学習の質向上と満足度の向上は、「学びの環境が整っている大学」という国際的評価に直結すると考えます。
それが口コミや次年度の志願者数の向上にもつながっていき、交換留学プログラムの活性化や、優秀な大学院生の受け入れにつながるだろうと期待しています。なにも学生数が増えるからよい、ということだけが言いたいのではありません。当校で学ぶ留学生の質的向上は、日本人学生にとっても前向きな刺激になることは明白です。
ありがとうございます。
私たちの構想には、さらに「翻訳機能だけで終わらせない」という想いもあります。今後は、たとえば字幕ログを活用して復習用ノートのような副教材・コンテンツを生成することや、学会や講演会の質疑応答などの支援、講演記録作成の補助なども視野に入れています。
字幕ログをもとにした自動要約ができて、あとで見返せるようになるだけでも学習効果への影響は大きいでしょうね。試験ではより細かい論点を学生に問うことにはなりますが、各授業の要約で大きな道すじを理解しやすくすることは、クラス全体の理解度の向上につながりそうです。
お2人の見解は非常に参考になります。
今回の導入から見えてきたこととして、翻訳があるからこそ、さらに「中身」をどう学ばせるか、という段階に大学として踏み込めるようになったのかもしれませんね。
今後、国際化や多様化の流れの中で、教育現場の多言語対応はますます重要になると思いますが、御校としての展望はありますか?
日本語に親しみのある留学生だけでなく、学びたい意欲のある学生に対して学ぶ機会をきちんと提供できる大学であること、ですかね。そこを目指す上で、この仕組みはまだまだ伸ばせると感じています。
僕としては、どんな国から来た学生でも「ここで学べてよかった」と思って帰ってもらいたいですね。その実現に、こうした支援ツールが一役買っていると思うと、教員としても嬉しいです。
ありがとうございます。
私たちも、今後さらに現場に寄り添いながら、教員のみなさんと学生のみなさん双方に負担をかけることなく、学びの質向上に挑戦していきたいと思っています。引き続き、よろしくお願いいたします。
【リアルタイム多言語翻訳システム:AirCampus Sessionの導入】
大学授業の日本語による講義(音声)をリアルタイムで最大50言語に翻訳し、学生が手元の端末で字幕表示できる「AirCampus Session」を導入しました。教員側の準備負荷を最小限にしつつ、字幕ログや画面共有機能により、留学生の理解促進と講義参加のハードルを大幅に引き下げることができました。
大学の授業や講演会、学会などで言語の壁を感じている皆さん、リアルタイム翻訳システムを活用して、多様な人たちが学びやすい環境を作りませんか!
EdTechの最前線が生んだ、組織学習プラットフォーム
本日はありがとうございます。
AirCampus Sessionを導入いただいて1年が経ちましたが、留学生が履修している様々な授業で「リアルタイム多言語翻訳」の活用が定着してきたと伺っています。大学としてどんな変化を感じておられますか?